ごく普通の精神科医がごく普通の日常を綴っています
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一期一会

広島の学会に行ってきました。

初日の午前中、ひとつだけ聴きたいシンポジウムがあり、3日間の開催なのに片道6時間かけて、たった2時間半のための旅。。。。

それでも、道中DVDを観ながら、のんびり座っていけるので、さして苦痛にもなりません。
あっちやらこっちやらに、移動しながら、飛行機で行く方が、最近は面倒に思うようになりました。


学会のシンポジウムを聴き終えて、駅に向かうために乗ったタクシー。。。

それは、本当に偶然の出来事。

その前にも人を乗せて会場についたタクシーがいて、その人が降りたら当然、乗せてくれるだろうと待っていましたが、おろすと同時に扉は閉まり、最初のタクシーはそそくさと去ってしまいました。
縁がなかったのですね。

次に来たタクシーの運転手さん。。。
その光景を見ていてくれたのか、お客さんをおろしながら、にっこり笑顔でこちらに視線を移し、こくりとうなづき、「大丈夫ですよ」と無言の合図をおくってくれました。

「ありがとうございます。」

と乗り込むと、

「もう帰るのですか?」

と人懐っこそうに話しかけてきます。

50代後半から60代前半くらいの男性運転手さん。。。

「どこからですか?」
「福島からです」

「何時間かかるん?」
「6時間くらい。。。」
「そんなに時間かけて。。。大変じゃったね。」

「おたくさんらも、精神科の先生?」
「まあ、そんなところで。。。」

なんていう他愛のない話。。。

タクシーに乗れば、いつもそうやって話しかけられることが多い私。。。

タクシーだけではなく、昔から何かにつけて知らない人に声をかけられては、よく身の上話をされます。(笑)

あ~、またいつものことだ。。と思いながら、初めは油断して聴いていましたが、今日のそれはいつもとちょっと違っていました。


いろいろと世間話をしているうちに、突然。。。

「わたしも、息子の7回忌が終わりまして。。。」

そんな話題に。

少し、とまどいながら、ついついいつもの癖が。。。

「息子さん、お亡くなりになったんですか?」

と続けてしまったわけです。


そこから、堰を切ったように、運転手さんの身の上話が始まって。。。

でも、聴けば聴くほど、波瀾万丈の人生。

ここに詳しく書くことは出来ませんが、人の人生に、こんなにたくさんの試練がたたみかけることもあるのか。。と思うほど、涙をこらえて聴くのが大変でした。

でも、そんな大変なことも、気丈に笑顔を交えながら、語る運転手さん。
信号待ちで見せてくださった写真は、亡くなった息子さん。

息子さんの人生も、短い人生なのに、その父に負けず劣らず、波瀾万丈。
でも、そんな辛い体験も何ともしないような、生き生きと笑う息子さん。

またまた、泣きそうになりながら、かける言葉もなくし、ただただその運転手さんの話に耳を傾け、頷くだけの私。。


「だいぶ、なれては来たんですけど。。いろいろ考えると、頭がおかしくなりそうになります。
でも、再婚して出来た子供がまだ高校生。。。まだまだ頑張らんと。。そう思ってやっていますよ。」

そう豪快に笑顔で語ってくれた運転手さん。

心で泣きながら、表で笑うって、こういうことを言うんでしょう。。。

本当に素敵な心に沁みる笑顔でした。

人が生きていくことの辛さや悲しさ。。。
それを抱えながら、倒れても、打ちのめされても、立ち上がって、前を向き、頑張って笑顔で生きている人の強さ。。。
そして、まだまだ幸せだなって思える自分の人生。。。

たった15分の道中。。。

でも、「自分も、まだまだ頑張らなくっちゃ!」
と思える時間でした。

お互い名前も知らない、もう会うこともない出会いでしたが、なんだかとても心が洗われるような気持ちになりました。


遠くに離れていても、どこまでも続いている同じ空の下で、あの運転手さんも頑張って生きている。。。そう思うだけで、私も頑張る力をもらった気分です。

この15分の出会いを、私は一生忘れないでいたいと思います。

さあ。。また今日から、頑張るぞ!
あの運転手さんにまけないように。。。。

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