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ごく普通の精神科医がごく普通の日常を綴っています
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おかあさん、ありがとう

今日は、母の命日。

毎年、命日が近くなると、兄からの手紙の回数が増えるような気がする。

母の想い出を誰かと語りたくなるのか、それとも、うっかりものの妹に、「よもや、忘れては、いるまいな。。」との兄なりのサインなのか。。。

今年もしっかりと母の想い出とともに、兄からの長い手紙が届いた。

最近、なんだか涙もろくなった。人は、それを年のせいだという。

確かに、年のせいだ。。。。

 

幼い頃、兄と喧嘩して、いつまでも泣きやまない私に、母は、

「そんなに涙を流すと、お母さんが死んだときに流す涙がなくなるよ。ちゃんととっておいてね。」

そう言いきかせたとか。。。

記憶も残らないような年齢の小さな子供に、母親が死ぬときのことを語ってしまう母も、すごい人だなとつくづく思うが、その日から、私は、母がびっくりするほど、長泣きをすることがなくなったのだという。

 

でも。。。

そういう母は、人一倍涙もろかった。

辛いときや悲しみの涙をみたことはなかったが。。。

授業参観で、うまく発表できたと言っては泣き。。。

運動会で、走ったと言っては泣き。。。

学芸会で、ハーモニカを吹いたと言っては、泣き。。。

卒業式で、大きくなったと言っては、泣き。。。

ほかのお母さんは、笑っているのに、なんで私のお母さんはいつも泣いているのだろう。。と思ったものだ。

 

そんな母が、突然逝ってしまってから、19年。

母の命のかわりに、新しい命を受け取って、今度は自分が「母」になった。

まるで、リレーのバトンを受け取るように。。。

 

なんだか、この19年、がむしゃらに前を向いて歩いてきたけど。。。

気づいてみたら、あのときの子供が、私が母のもとを巣立った年と同じ19歳になっている。

自分の巣立ちの時は、新しい夢をかなえることに一生懸命で、一人残される母のことなど、思いやる優しさはなかったかもしれない。

それでも母は、「信じた道を迷わず歩け」と、笑顔で背中を押してくれた。

今、その想い出と同じ情景を今度は母という立場で、見守ろうとしている。

そういえば。。。あのとき、母は泣いていなかったな。。。

自分も旅立つとき、もうこれで母とともに歩む人生ではなくなるのだという現実を実感してはいなかったけど。。。

でも、母はきっと寂しかったに違いない。。

心細かったに違いない。。。

私のために、涙はきっと我慢していたんだと思う。

結果的に、あの日を最後に、私は母とゆっくりとした親子の時間を再びもつこともかなわないまま、19年前の今日、その現実と嫌でも向き合うことになったのだ。

今、親として子供の巣立ちを迎える年になってはじめて、あのときの母の気持ちを想う。

 

最近、涙もろくなった。。。

幼い日、母の涙をみて感じたあの疑問が今ゆっくりと解け始める。。。

もう節約しなくてもよくなった涙を今日は、母を偲びながら、静かに流そうと思う。

あんなにも涙もろかった母が、あの日、笑顔で背中を押してくれたことに感謝し、一度もまともに伝えられなかったあの言葉とともに。。。

 

      「おかあさん、ありがとう。。。」

 

いくつになっても、いつまでも、

私は、おかあさんのこども、

そして、いつも、どんなときも

あなたは、私のおかあさん。

                      「ありがとう、おかあさん。」 竹本聖 著

 

 

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無題
私は病気になってから、当たり前のことができなくなりました。
それなのに、つらくも苦しくも気づくことは結構あって驚いてます。当たり前に感じていたことが出来ないことって、日ごろ忘れてた、おろそかにしていたものを呼び起こしてくれるようなそんな感じです。(今だから言えますが…笑)
両親がいて、仕事があって、支えてくれる人たちがいて、平和で。。でも当たり前じゃないんですよね。いつどうなるかなんてわからない。私は常に思ってます。だから、毎日を大切に生きなきゃいけないんですよね。あんなに憎んでた病気が教えてくれました。
そして、先生と周りで支えてくれている人が教えてくれました。
ありがとうという感謝の気持ちでいっぱいなので、良くなったら恩返しをしていくつもりです。
Re:無題
kazumiさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。長いトンネルを抜けて。。。少しずつ、光が見え始めたようで、うれしく思います。まだ、もう少し時間はかかるかも知れませんが、ゆっくりゆっくり、一緒に歩いていけたら良いなと思っていますよ。
【 管理人haru 2010/01/28 21:29】
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