日常の臨床の中で、病気になって仕事を長期に休むことになってしまうことがあります。
それでも、長い長い辛く苦しい休職期間を乗り越えて、復職をするほどに回復したときには、主治医としてもとても喜ばしいことです。
以前は復職となると、ストレートに本業にもどり、時間もフル稼働になることが普通でした。
メンタルヘルスが叫ばれて、いろいろと理解が進む中で、復職に際してリハビリ的な就労トレーニングをする機関も増えてきており、それにともない、大きな企業では産業医の面接等も義務づけられるようになり、そこで主治医とは別に復職に耐えうるかどうかを診断するというシステムも定着しつつあります。
それはそれで、客観的に判断していくと言う意味においてはいっこうに構わない制度なのですが。。。。
復職の直後は、結構緊張するものです。
長い休みを取っていたわけですから、それなりに自信もなくなっています。
自分がいなかった間の職場の雰囲気の変化や同僚、上司達の思いなど、良きにつけ悪しきにつけ、敏感に感じたり。。。
充分によくなっていたつもりでも、少しずつ微妙な軌道修正や精神的サポートが必要になることもあります。
なので、私はいつも復職前後の診察は、通常1週間に1回。
それは、どんなによくなっている人であったとしても、復職の様子が軌道にのるのを見届けるまでは、そういう方針でこれまでやってきました。
そうしてこまめに診察することで、再燃、再発も少なくなるような気がしています。
先日。。。復職前の患者さん。。その勤め先で委託している嘱託の先生に復職前診察を受けに行きました。
その前に私のところへやってきて今後の方針を聞いて帰った人事担当の職員さんが、当院での方針や現状をお伝えしたらしいのですが。。。
「1週間に1回も通院しなければならないのは、治ってないからじゃないの?」
というようなことになってしまい、その後の診察もなく帰されてしまったのだとか。。。
う~ん。。。。そう言われましても。。。(困)
それが我が家のやり方でして。。。
その一部始終を聞かされて、これからどうしたものかと。。。途方に暮れてしまいました。
主治医的には復職リハビリも順調に進んで、なんの問題尾なかったのですけど。。。
う~ん。。。診察の頻度で回復の度合いを判断されるとすれば、我が家に通院する患者さん達、ずっと復職できないということになりかねないです。
でも、やっぱり復職直後は、どんなに安定して見えても、軌道に乗るまでは、細やかに診察したいなぁ。。。
困ったな。
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