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待合室の小物の中には、私が選んで置いたもの以外にも、患者さん達が持ってきてくださったものもいくつかあります。
飾ってあるものをみて、似ているものをわざわざ持ってきてくださる方や「ガチャガチャ」でゲットしたシリーズものをひとつずつ来るたびに増やしていく女の子もいました。
私が好きそうだからと旅行のおみやげにいただいたりしたものもあります。
窓側のテーブルにある首振りの人形も、患者さんが持ってきてくださったものです。
何も言わず、ただ首を振ってうなずいてくれる姿に癒されていらっしゃる方もいるようです。
時に小言をいう治療者より、よほど安心感があるかも知れませんね。
その首振り人形のエピソードをひとつ。。。
あのお人形は、ソーラーで動いているので、お天気が悪いときにはちょっと元気がないんです。
ある曇り空の日、やっぱり元気がなくって。。。。
そしたら、付き添いでいらっしゃっていたおじいさんが、おもむろにその元気のないお人形を窓辺にもっていって、光りにかざしてくださっていたのです!
なんともほほえましい、優しい光景。。。
私達も癒されるひとときでした。
待合室では、みんながそれぞれに優しい時間をすごしています。
待合室は診察を待つ間に過ごす空間。
不安な気持ちだったり、具合が悪くていらだっていたり。。。。
でも、意外に患者さん達は、その空間にあるものに目をやり、それぞれの想いの中で、心に留めてくださっているようです。
UMCの待合室の空間には、いろいろなアイテムがあります。
ちいさな人形や小物雑貨、葉書絵や日々の言葉のカレンダー、観葉植物、窓から見える花々、季節毎に色を変える庭。。。。
その多くは、私の趣味で選んできたものです。
自分が気に入って、何となくいいなあ~と思うものを置いているだけなのですが。。。
「初めてここを訪れ、不安と苦しい気持ちで待っていたとき、テーブルの上に何気なく立てかけてあった詩を読んで、こみ上げてくる感情をおさえることができませんでした。
その時の自分の気持ちにすーっと入り込んで。。。
さらにその後の診察で、それまでの想いを吐き出したら、感情があふれて。。。
でも、今日はだんだんに落ち着いてあの詩を読むことが出来るようになってきましたね。。。」
先日、初診からまだ間もない方が診察の終わりに話してくれました。
何気なく、置かせていただいている、詩が書いてあるただの絵はがきなんですが、そんな風に感じていただけると、やっぱり嬉しくなります。
「庭を眺めているだけで、穏やかな気持ちになれます。」
「このお人形、癒されますね。」
「お日様の光が、あったかで心地良くて。。。つい眠っちゃいました。」
いろいろなお言葉を頂いて、こちらの方がほっこりあったかな気分にさせていただくこともしばしばです。
待合室で何気なく交わされる、ささやかな日常の会話の方が、心が疲れているときには、本当は大切なのかもしれません。
クリニックでは今日も、お日様の日が優しく差し込む待合室で、しずかな時間が流れています。